CloudPagesとは?Marketing CloudでLP・配信停止ページ・設定変更フォームを作る方法
2026/06/27
Salesforce Marketing Cloud Engagementを運用していると、「キャンペーン用LPをすばやく公開したい」「配信停止ページをわかりやすくしたい」「購読設定を変更できるフォームを作りたい」と感じる場面があります。
そのようなときに候補になるのが CloudPages です。
CloudPagesは、単にWebページを作るための機能ではありません。Marketing Cloud内の顧客データ、メール配信、フォーム送信、Data Extension、Journey Builderなどとつなげることで、顧客接点を作り、取得したデータを次のマーケティング施策に活かすための機能として価値を発揮します。
本記事では、CloudPagesの基本、向いている用途、LP・配信停止ページ・購読設定変更フォームを作る際の考え方、AMPscriptを使ったデータ連携のポイントまで、実務目線で解説します。
なお、本記事では主に Salesforce Marketing Cloud Engagement の CloudPages を前提にしています。Salesforce公式の開発者資料では、CloudPagesURL() や RequestParameter() などのAMPscript関数について、Marketing Cloud Engagementでの対応可否が示されています。一方、現在のSalesforce価格ページでは Marketing Cloud Next の「Forms and Landing Pages」「Multi-Channel Journeys」なども掲載されており、契約・エディション・製品世代によって利用できる機能や名称が異なる場合があります。導入前には必ず自社契約と公式情報を確認してください。
CloudPagesとは
CloudPagesとは、Salesforce Marketing Cloud Engagementでランディングページやフォーム、マイクロサイトなどを作成・公開するための機能です。
Salesforce Helpでは、CloudPagesはMarketing Cloud Engagementで見込み客データを取得・整理・活用するための機能として説明されています。また、CloudPagesのランディングページは、認知獲得、見込み客データの収集、イベント告知や申込促進などに使えるものとして紹介されています。
実務でよく使われる例は、次のようなページです。
| 用途 | 具体例 |
|---|---|
| キャンペーンLP | 資料請求、ホワイトペーパーDL、セミナー申込、製品キャンペーン |
| フォームページ | 問い合わせ、アンケート、イベント登録、リード獲得 |
| 配信停止ページ | メール購読解除、配信停止理由の取得 |
| 購読設定変更ページ | 配信カテゴリ、頻度、関心領域の変更 |
| パーソナライズページ | メールから遷移した顧客ごとに表示内容を変えるページ |
一般的なCMSやWebサイト制作ツールと異なるのは、Marketing Cloudのデータや配信施策と近い場所でページを作れる点です。
たとえば、メールからCloudPagesへ遷移させ、ページ上でユーザーごとに異なる内容を表示し、フォーム送信後にData Extensionへデータを書き込み、その情報をJourney Builderの後続施策に活かす、といった設計ができます。
CloudPagesが向いているケース
CloudPagesが特に向いているのは、Marketing Cloud内の顧客データや配信施策と連動させたいページです。
たとえば、以下のようなケースではCloudPagesの強みが出やすくなります。
| ケース | CloudPagesが向いている理由 |
|---|---|
| メールキャンペーン用LPを作りたい | メール配信後の遷移先として使いやすく、顧客情報を引き継いだ設計がしやすい |
| 配信停止ページを改善したい | 単なる解除ではなく、配信カテゴリ変更や頻度変更の選択肢を設けられる |
| 購読設定変更フォームを作りたい | 既存顧客の設定情報をData Extensionに反映しやすい |
| イベント申込フォームを作りたい | 送信データを後続の案内メールやリマインド配信に活用しやすい |
| フォーム送信をJourney Builderにつなげたい | Smart CaptureフォームをJourney Builderのエントリーソースとして使う設計ができる |
Salesforce Helpでも、Smart CaptureフォームをJourney Builderのエントリーイベントとして使う手順が案内されています。フォーム送信を起点にした自動化を考える場合、CloudPagesは単なるLPではなく、マーケティングオートメーションの入口として機能します。
一方で、CloudPagesを「大規模なオウンドメディア運営用CMS」として位置づけるのはおすすめしません。記事を大量に公開するメディア、複雑な編集ワークフロー、SEOコンテンツの量産が主目的であれば、WordPressなどの一般的なCMSを中心に考えたほうが運用しやすい場合があります。
CloudPagesは、短期キャンペーン、フォーム、設定変更、メール連動、顧客データ活用に寄せて使うと、効果を出しやすい機能です。
LP・配信停止ページ・購読設定変更フォームの設計ポイント
CloudPagesでページを作る前に、まず決めるべきなのは「そのページの役割」です。
同じCloudPagesでも、キャンペーンLP、配信停止ページ、購読設定変更フォームでは、設計すべき項目が大きく異なります。
キャンペーンLPの場合
キャンペーンLPでは、訪問者にどの行動を取ってほしいのかを明確にします。
たとえば、資料請求、セミナー申込、問い合わせ、トライアル申込などです。LPの目的が曖昧なまま作成すると、フォーム項目が多すぎたり、CTAが複数に分散したりして、成果につながりにくくなります。
キャンペーンLPで確認したい指標は、主に以下です。
| 指標 | 見るべきポイント |
|---|---|
| ページ訪問数 | メールや広告から十分に流入しているか |
| フォーム到達率 | ファーストビューや導線で離脱していないか |
| フォーム完了率 | 入力項目が多すぎないか、エラーが分かりやすいか |
| CV後の反応 | 完了後メール、営業連携、Journey流入につながっているか |
配信停止ページの場合
配信停止ページでは、解除を妨げるのではなく、ユーザーが迷わず手続きできることが重要です。
ただし、すべてのユーザーが「完全に配信を止めたい」と考えているとは限りません。配信頻度が高い、関心のないカテゴリが届く、内容が期待と違うといった理由で離脱している可能性もあります。
そのため、設計によっては「すべて停止」だけでなく、次のような選択肢を用意できます。
| 選択肢 | 目的 |
|---|---|
| すべての配信を停止 | 確実に解除したいユーザーへの対応 |
| 特定カテゴリのみ停止 | 興味のない情報だけを止める |
| 配信頻度を減らす | 週次・月次などに変更する |
| 関心テーマを変更 | ユーザーに合った情報へ調整する |
配信停止ページは、解除を防ぐためのページではなく、ユーザーの意思を尊重しながら、関係性を適切に調整するページとして設計することが大切です。
購読設定変更フォームの場合
購読設定変更フォームは、配信停止ページよりも前向きな接点です。
ユーザーが「もう不要」になる前に、興味のあるカテゴリ、希望する配信頻度、受け取りたい情報を選べるようにすることで、メール体験を改善できます。
たとえば、BtoB企業であれば以下のような項目が考えられます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 関心テーマ | MA活用、CRM連携、データ分析、営業DX、導入事例 |
| 部門 | マーケティング、営業、情報システム、経営企画 |
| 配信頻度 | 週1回、月2回、重要なお知らせのみ |
| 希望コンテンツ | セミナー、資料、事例、製品アップデート |
購読設定変更フォームを用意することで、単に配信リストを減らすのではなく、ユーザーごとの関心に合わせたコミュニケーションへ移行しやすくなります。
CloudPagesURLとRequestParameterでパーソナライズする
CloudPagesの実務で重要になるのが、メールからページへ値を渡す設計です。
たとえば、メール内のボタンからCloudPagesへ遷移したとき、ページ側でユーザー名、会員ID、関心カテゴリ、キャンペーンIDなどを受け取り、表示内容やフォームの初期値を変えたいケースがあります。
このときに使われる代表的なAMPscript関数が CloudPagesURL() と RequestParameter() です。
Salesforce Developersの公式資料では、CloudPagesURL() はAES-GCMで暗号化されたクエリ文字列を含むCloudPages URLを返し、メールからランディングページへリンクする際に使えると説明されています。また、顧客データを平文ではなく暗号化テキストとして渡す用途が示されています。
一方、RequestParameter() は、フォーム項目やランディングページURLのパラメータ値を取得する関数です。公式資料では、CloudPagesURL() によって生成された暗号化クエリ文字列からも値を取得できると説明されています。
つまり、CloudPagesでは次のような流れを作れます。
- メール内リンクで CloudPagesURL() を使い、必要な値を暗号化して渡す
- CloudPages側で RequestParameter() を使い、受け取った値を取得する
- 取得した値をもとに、表示内容やフォーム項目を出し分ける
- フォーム送信後、Data Extensionへ保存・更新する
- 必要に応じてJourney Builderなどの後続施策につなげる
これにより、全員に同じLPを見せるのではなく、メール配信データや顧客属性に応じたページ体験を作りやすくなります。
フォーム送信後はData Extension設計が重要
CloudPagesでフォームを作る場合、見た目だけでなく、送信後のデータ処理を最初に設計しておくことが重要です。
Marketing Cloudでは、フォーム送信データをData Extensionに保存・更新する設計がよく使われます。AMPscriptでは、用途に応じて InsertData()、UpdateData()、UpsertData() などの関数を使い分けます。
Salesforce Developersの公式資料では、InsertData() はData Extensionに行を挿入し、挿入された行数を返す関数と説明されています。CloudPages、ランディングページ、マイクロサイトなどで使用できることも示されています。
UpdateData() は、Data Extension内のデータを更新し、更新された行数を返す関数です。公式資料では、CloudPages、ランディングページ、マイクロサイト、MobileConnectのSMSメッセージで使用できると説明されています。
UpsertData() は、一致する列と値が見つかった場合は更新し、見つからない場合は行を挿入する関数です。新規ユーザーと既存ユーザーが混在するフォームでは、特に使いどころがあります。
実務では、次のように考えると整理しやすくなります。
| 関数 | 向いているケース |
|---|---|
| InsertData() | 新規申込、イベント登録、資料請求など、新しい行を追加したい場合 |
| UpdateData() | 既存顧客の購読設定、配信頻度、関心カテゴリを更新したい場合 |
| UpsertData() | 新規・既存が混在し、該当データがあれば更新、なければ追加したい場合 |
特に、購読設定変更フォームでは、既存顧客の情報を更新するケースが多いため、Data Extensionのキー項目、Subscriber Key、メールアドレス、更新日時、同意状態などを事前に整理しておく必要があります。
CloudPages導入前に確認したいこと
CloudPagesを使う前に、以下の点を確認しておくと、公開後の手戻りを減らせます。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| ページの目的 | LP、配信停止、購読設定変更、アンケートなど、役割が明確か |
| 対象ユーザー | 新規リード向けか、既存顧客向けか、メール購読者向けか |
| 入力項目 | 本当に必要な項目だけに絞れているか |
| Data Extension | 保存先、主キー、データ型、更新ルールが決まっているか |
| AMPscript | パラメータ取得、表示出し分け、保存処理が必要か |
| Journey連携 | フォーム送信後に自動配信や通知へつなげるか |
| 完了ページ | 送信後の案内、次のCTA、関連コンテンツを用意しているか |
| 計測 | 流入元、CV、フォーム離脱、後続アクションを測れるか |
| 法務・同意管理 | 配信停止、同意取得、個人情報の取り扱いに問題がないか |
CloudPagesはページ公開だけなら比較的シンプルに始められます。しかし、成果を出すには「どのデータを取得し、どこに保存し、次にどう使うか」まで設計する必要があります。
CloudPagesと一般CMSの違い
CloudPagesと一般CMSは、得意な領域が異なります。
| 比較項目 | CloudPages | 一般CMS |
|---|---|---|
| 得意な用途 | LP、フォーム、配信停止、購読設定変更、メール連動 | 記事メディア、コーポレートサイト、SEOコンテンツ |
| データ連携 | Marketing Cloud内のData Extensionや配信施策と連携しやすい | 外部ツール連携が必要になることが多い |
| パーソナライズ | AMPscriptや配信データを使った出し分けがしやすい | CMS単体では制限があることが多い |
| 運用体制 | Marketing Cloud運用担当者向き | Web担当者・編集担当者向き |
| 向いているページ数 | キャンペーン単位、用途単位 | 多数の記事・ページ管理 |
そのため、CloudPagesは「会社サイト全体を作るツール」としてではなく、Marketing Cloud施策とつながる特定用途のページを作る機能として捉えるのがおすすめです。
たとえば、SEO記事は自社サイトのCMSで公開し、メールキャンペーンの遷移先や購読設定変更フォームはCloudPagesで作る、といった役割分担が現実的です。
まとめ:CloudPagesは顧客データ活用の接続点
CloudPagesは、Salesforce Marketing Cloud Engagementの中で、LP、フォーム、配信停止ページ、購読設定変更フォームなどを作成し、顧客データ活用につなげるための機能です。
特に価値が出やすいのは、次のような場面です。
- メールキャンペーン用のLPを作りたい
- フォーム送信データをData Extensionに保存したい
- 配信停止だけでなく、配信頻度やカテゴリ変更の選択肢を用意したい
- CloudPagesURL() と RequestParameter() を使って、メールからページへ安全に値を渡したい
- Smart CaptureやAMPscriptを使い、フォーム送信後の自動化につなげたい
- Journey Builderと連携し、申込後メールやフォロー施策を自動化したい
CloudPagesの本質は、ページを作ることそのものではありません。顧客との接点を作り、取得した情報をMarketing Cloud内の施策へつなげることにあります。
LP、配信停止ページ、購読設定変更フォームを個別に作るだけでなく、顧客体験全体の中で「どのタイミングで、どんな情報を受け取り、次にどう活用するか」を設計できれば、CloudPagesはMarketing Cloud運用の成果を高める重要な接続点になります。
FAQ
Q. CloudPagesは通常のWebサイト制作にも使えますか?
CloudPagesでWebページを作成・公開することはできますが、大規模なコーポレートサイトや記事メディアの運用には、一般的なCMSのほうが向いている場合があります。CloudPagesは、Marketing Cloudの配信施策や顧客データと連動するLP、フォーム、設定変更ページなどで特に活用しやすい機能です。
Q. CloudPagesで配信停止ページを作れますか?
実務上、CloudPagesは配信停止ページや購読設定変更ページの作成に使われます。ただし、配信停止や同意管理は法務・プライバシー・配信規約と関係するため、自社の運用ルールや対象地域の規制に沿って設計する必要があります。
Q. Smart CaptureとAMPscriptはどちらを使うべきですか?
シンプルなフォームであればSmart Captureが便利です。一方、表示内容の出し分け、複雑な入力制御、Data Extensionへの細かな保存・更新処理、既存データとの照合が必要な場合は、AMPscriptを使った実装を検討します。
Q. CloudPagesURL()を使うメリットは何ですか?
CloudPagesURL()を使うと、メールからCloudPagesへ値を渡す際に、暗号化されたクエリ文字列を含むURLを生成できます。Salesforce Developersの公式資料でも、顧客データを平文ではなく暗号化テキストとして渡す用途が説明されています。
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